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岡山で開催された経済講演会を記録するページ

岡山シンフォニーホール♪
この講演会は

経済学に精通した有識者にグローバル経済の動向を伺い、

日本経済成長のヒントを得ることを目的に開催されたもの。


【 基調講演 】 演題 「 これからの日本経済と成長の展望 」

講師 慶応義塾大学 教授・グローバルセキュリティ研究所 所長 竹中平蔵

著書 ・構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌 ・竹中平蔵の特別授業―きょうからあなたは「経済担当補佐官」 by Amazon.

日時 2007年10月14日(日) 12:50〜14:10 岡山シンフォニーホール 大ホール

主催 (社)岡山県宅地建物取引業協会 (社)全国宅地建物取引業保証協会 岡山本部  後援 国土交通省 山陽新聞社 山陽放送 (社)全国宅地建物取引業協会連合会


「 経済学者の冷徹な頭脳と温かい心 」

岡山経済講演会の講師は、慶応義塾大学教授とともに同大学のグローバルセキュリティ研究所 所長を兼務する 竹中平蔵氏。

同氏は1951年、和歌山市生まれ。 一橋大学経済学部卒業後、日本開発銀行へ入行。 1989年、ハーバード大学 客員准教授に就任。

1990年、慶應義塾大学 総合政策学部 助教授に就き1998年、経済戦略会議(小渕首相諮問会議)のメンバーとして政策に参加。

2000年、IT戦略会議(森首相諮問機関)メンバーとなり2001年、小泉内閣より民間人ながら経済財政政策担当大臣に任命される。

その後2004年、第20回 参議院議員通常選挙にてトップ当選。 小泉総理のもと、日本経済の「聖域なき構造改革」を断行した。

2006年9月、政界を引退。 現在、慶大教授・日本経済研究センター特別顧問・アカデミーヒルズ理事長・パソナ特別顧問を兼務。

英国経済学者 アルフレッド・マーシャル氏の語録「経済学者は冷静な頭脳と暖かい心を持たねばならない」より大志を得たと聞く。

特技はカラオケ、趣味は構造改革・野球観戦(大のタイガースファン)・音楽鑑賞(谷村新司氏の曲)は同氏のホームページより。

本日はインクブルーのスーツにクリーム色のネクタイ、難しい経済談義をも和ませるニコニコ論調、好感度抜群の笑顔でご登壇。


「 回顧録と政局と笑い 」

先生は爽やかな笑顔で元気良く、しかも軽快ながらも分かり易い口調にて、臨場感たっぷりの土産話を持たれて講演壇上へ。

挨拶の冒頭で、異様な世界(政界)を離れて1年、今の私の強みは何を言っても失言にならないこと、といきなり誘う会場の笑い。

続けて、私は昆虫学者が昆虫になるほど貴重な体験を頂けた。 経済学者が経済財政政策に携われたのだから、本当に有り難い。

そこへ自著 構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌 の紹介に、高々と指をかざす小泉首相の決めポーズを添え、またも会場は大爆笑。

本著は総理との会話を記した政界の回顧録(memoirs)であるため、小泉氏本人の見解を問うたところ回答はひと言、いい本だね!と。

そのほか前総理大臣秘書官 飯島氏の小泉チルドレン話や、前幹事長の陰謀説・犠牲者説等、興味津々の聴講者は土産話に釘付け。

その一方、政局あって政策なしのドタバタ騒動に政策論の重要性を厳しく唱え、皆が勝ち馬に乗ろうとする今の政治力学に警鐘も。

受講者を魅きつける、場を読む講義展開にいきなり脱帽。

(竹中教授が機中で笑った 映画「バブルへGO!!~タイムマシンはドラム式」presents:バブルへGO!!~キラキラ☆ポップ!! by Amazon.)


「 グローバル競争の影と戦う構造改革 」

日本経済は1989年の日経平均株価をピークに泥沼化。 問題の根源、不良債権償却を怠り公共事業継続と、見誤った施策により長期化。

それから10年の歳月を失い2001年、小泉内閣の聖域なき構造改革がはじまり、ようやく日本は景気回復の道を歩み出したところ。

痛みを伴う不良債権処理は峠を越え、すぐにオリンピック参加とはいかないまでも、国内経済は健全さを取り戻しつつある段階。

そうした経済成長の芽を伸ばすためのひとつの提案は、1-2%程度の緩やかなインフレターゲットと、もうひとつは地方経済の回復。

だからもう一歩、成長を後押しする構造改革が必要と。 例えて地方の疲弊を解決できる構造改革は、地方政府による道州制

こと地方企業の復興策こそ、中小企業庁を道州制において取り込み、地域に根ざした施策を推進することが寛容と。 なるほど。

目的は熾烈なグローバル競争に勝てる改革であり、同時に、貧困問題・生活保護・雇用対策など、セーフティーネットの充実も必要。

メディアが連呼する格差とは、構造改革による影というより、生産拠点の海外移管など、国際競争の劣勢がもたらす影というべきだ。

英国 サッチャー元首相の語録より、金持ちを貧困にしても国が貧窮するだけを引用し、頑張る人・会社を応援すべしと切り返す。

多国籍企業が海外で稼ぐ今、3%成長を国内経済の目標に据えるチャンスとご提言。 実現できれば消費税据え置きは十分可能とも。

それを実現する具体的施策の例として、1. 東京大学の民営化、2. オープンスカイ政策(空港の自由化)について詳しいご教授あり。

具体策に対する仮説・検証のセット提言はさすが(敬)。


「 観光の企画力とITの活用 」

旅行ブームの周期は50年。 オーストラリア観光の成功要因はツーリズム(旅行学)とホスピタリティー(おもてなし学)と解説。

竹中先生は地方経済復興の策として、文化・観光の可能性を説き、大学の観光学部又は観光学科設立の提言も添えられました。

加えて、観光を生業とする人々の所得割合は、米国12%に対し日本は6%。 しかも退職控えた団塊世代の興味の筆頭は旅行。

国内観光業の成長可能性は極めて大きいと俯瞰の様相。

ルイ・ヴィトンが躍進はじめた1860年、バックス・ブリタニカを起点とする世界的旅行ブーム。 次は米国が欧州GDPを抜いた1910年代。

ジャンボジェット機が就航し、ふたたび世界的旅行ブームが起こった1960年代、旅行ブームの周期を50年とするなら、次は2010年。

折りしもグローバルな世界文化遺産登録ブームが起きており、まさにこの岡山県も後楽園・閑谷学校を擁する活動機運が盛り上がり。

それに併せてトライすべきはITの活用。 地方ほどブロードバンド社会の恩恵を受け易く、生活に、ビジネスに活かすべしという励ましも。

まさしく地方の時代が訪れる、そっと拳でガッツポーズ。


「 竹中教授の 学問のすゝめ 」

まさに今、1920年代を見るようなライフスタイルの変化がうねり、多くのビジネスチャンスが訪れているのではなかろうか。

成功は工夫と努力の賜物、だから学問のすすめ。

最後に紹介された慶応義塾の創設者 福澤諭吉先生の関連書籍は北康利氏の著書 福沢諭吉 国を支えて国を頼らず by Amazon.

そんな自助努力を促す竹中教授の講義は終始、○○だからダメだ、ではなく○○で良くなる、という改革の効果仮説に基づく前向きなもの。

未来の夢と希望と元気をたくさん頂きました(嬉)。


そうして余談ながら昨日2007年10月13日(土)、まさにこの大ホールにて、自民党政務調査会長 谷垣先生の講座がありました。

政治経済の巨匠が連日ご来岡くださるとは、政令指定都市を目指す岡山市と道州制を議論する岡山県の進化の兆しかも知れません。

何より経済賢者の有り難い講座に学ぶことは星の数。 大変貴重な講演会の開催に心より感謝しています。 ありがとうございます


【編集後記】

後楽園の廉池軒(れんちけん)
画像は2007年10月14日(日)の岡山後楽園 廉池軒(れんちけん)。

10月13日(土)- 10月15日(月) 3日間のイベント、なごみの間 作品展 〜ごきげんようび〜 の様子。

貧窮した岡山藩の藩政改革を進めつつ、後楽園・閑谷学校・大多府漁港元禄防波堤を設計・施工したのが岡山藩 郡代 津田永忠氏。

近世岡山の文化・土木遺構群の枢要となる人物。 まさに今、岡山県は津田永忠氏の功績をテーマに世界遺産登録を目指しています。

財政改革・文化振興での津田氏・竹中氏の共通点が面白く。


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