岡山で開催された道州制講演会を記録するページ

グランヴィア岡山と六高マン(旧制第六高等学校の学生像)
この講演会は

世界潮流を俯瞰する有識者に地方自治の進むべくヒントを伺い、道州制の必要性と必然性など、

その理解を深める目的のもとに開催されたもの。


【 基調講演 】 演題 「 道州制と地域の東アジア連携 」

講師 (財)日本総合研究所 会長 (株)三井物産戦略研究所 所長 寺島実郎(てらしま じつろう) 氏

著書 ・脳力のレッスン 2 (2) ・二十世紀から何を学ぶか 上―一九〇〇年への旅 (1) (新潮選書) by Amazon.


【 開会挨拶及び意見交換 】 岡山県 石井知事

日時 2008年1月29日(火) 13:00〜14:30 ホテルグランヴィア岡山 4階 フェニックス  主催 岡山県


「 パラダイムシフト 」

道州制講演会の講師は上記に記載した役職以外にも、早稲田大学 大学院 アジア太平洋研究科 教授を兼務する 寺島実郎氏。

同氏は1947年、北海道沼田町生まれ。 札幌旭丘高校より早稲田大学 大学院 修士課程を修了し、三井物産(株)へ入社。

ニューヨーク本店において情報・企画担当、ワシントンでは事務所長を務めるなど、グローバル経済に大変精通している。

日本のエネルギー戦略の脆弱さを指摘するなど、厳寒の環境で育った道産子(北海道生まれ)らしい着眼点も覗かせる。

また、「ITとFT(フィナンシャルテクノロジー)の結婚」「コンビニは生ものを扱える情報拠点」など、その表現力は豊かで独特。

グローバル視点から判断ができる日本屈指の有識者。 量から質の時代、移動の時代等、パラダイム転換に鋭い論議を醸す。


「 アジア ダイナミズム(活力) 」

大中華圏(グレーターチャイナ)とは、陸の中国(中国本土)・海の中国(香港・台湾・シンガポール)の経済連携による南進をさす。

講演は、世界経済の年平均実質成長率(実体経済)3.5%、物流経済7%、金融経済14%など、端的な配布資料に基づきスタート。

(この数値自体が倍々ゲームで世界的マネー市場の投機性を連想させるもの)

そこに中国の高成長を示す数値が太文字で浮き上がる。 大中華圏が日本の国内総生産(GDP)を抜くのは時間の問題、今年度かも。

通商国家である日本の対外取引も大きく変化。 モノの移動とともに、人の移動もアジアに傾く昨今。 「親米入亜」ということか。


「 ユーラシア ダイナミズム(活力) 」

首都圏至近のスキーリゾート苗場がロシア人で賑わう事実。 世界一のエネルギー収支黒字国ロシアが勝ち組として息を吹き返す。

オイルマネーはロンドン市場へ流入。 サッチャー政権が主導したビッグバン(金融規制緩和策)により英国経済は発展する一方、

外資系企業による金融機関の買収が進むウィンブルドン現象が顕著化。 しかも製造業は自動車業界はじめ、イギリス勢は不振。

日本がとるべき進路は、金融主導のマネーゲーム的資本主義ではなく、モノづくりと産業技術力を重視する資本主義ではないか。

東アジア連携の必要性と必然性、とレジュメは結ぶ。 


「 広域化する基礎的自治体と道州制 」

集約されゆく地方公共団体の調整コストが問題。

海外諸国の高い成長に起因する日本国内産業の空洞化。 それを解決する唯一の方法は、国際競争力を取り戻すこと。

国家はオールジャパンの戦略策定と外交・防衛に集中し、地方は自立した地方分権型社会の創造が急務ではなかろうか。

国家レベルでの構造改革が必須で、地方の疲弊を解決するのが道州制ではないかとメッセージを発した前回の シンポジウム

何もしなくて良くなるのなら、それも悪くない。 しかし、何もしないから世界から取り残されている、それも現実。

一点突破する国際競争力養成の為にも構造改革は必要だ。

今回講演のキーワードは、東アジア連携の必要性と必然性。 必要性と必然性は言い換えれば、当然の選択をすべしという催促とも。

何もしなければ地方自治は調整コストで益々疲弊。 道州制が必要か必然か、せめて考える機会が必要。 当然の選択をしなくては。


「 二地域居住と移動の時代 」

道州制が将来、必要で必然と決め付けるのは性急だが、広域防災拠点構想にみる安全・安心の観点で反論は見当たらない。

しかも中四国州を想定すると、太平洋岸から日本海側へと同一自治体による効率の高い理想的な環境づくりも期待が持てる。

貿易構造のアジアシフトによる日本海物流の幕開け、太平洋側港湾から境港への物流シフトなど、バッチリ呼応できそうだ。

中四国州のトラフィック環境は縦横無尽に移動が可能。

2006年より団塊世代のライフスタイル変化にいち早く呼応した“ときどき(週末)富山県民”なる発想にも注目しておきたい。

移動する人ほどモノを考える、いざ裏山へ! そんなキーワードも気になって。 人々が訪れる知恵比べが必要で必然かと。

“おいでんせぇ中四国州”なら“ハイ喜んで”と回帰しそう。 社会インフラも環境も、いわんや恵まれ過ぎた 岡山の自然 をや。

産業力を活かすプラットフォームづくりに不足のない岡山。 リソースを活かすも隠すも岡山県民次第ということなのでしょう。

ほかにも金融・エネルギー・食料、こと、農業生産法人という言葉も繰り返し聞かれ、岡山が進むべくヒントは盛りだくさん。

何といっても世界の頂から鳥瞰する識者の講演に学んだことは星の数。 希有なる講演会に心から感謝。 ありがとうございます


【編集後記】

道州制の理解が少しでも広まることを願い、綴っています。 遠い未来の子どもたちの為に出来ることからスグ行動すべきかと。


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